
過去のアニメや漫画作品を見返すと、その劇中に登場する家電や流行りごと、言葉などで時代を感じさせてしまうという事はしばしば起こり得るもの。
そんな考えを反映した自作の創作手法を、「エルフェンリート」「ノノノノ」「極黒のブリュンヒルデ」で知られる漫画家・岡本倫先生が語っている。
エルフェンリートを描く前の事。あだち充先生のみゆきを読んでいて、30年以上前の作品なのに全く色あせずに面白かったのですが、五百円札が出た時にこれは昭和の漫画なんだと現実に引き戻されました。なので自分が漫画を描く時は、10年後に読まれても時代がわからないようにしようと思いました。
— 岡本倫 (@okamotolynn) 2016年6月25日
だからぼくの漫画には携帯電話がほとんど登場しません。10年後の携帯電話がどうなっているかなんて想像出来ないからです。家電も登場しませんし、出る車も古い車ばかりです。そんな風に出来るだけ描かれた時代がわからないようにしています。
— 岡本倫 (@okamotolynn) 2016年6月25日
今はiPhoneがおしゃれですが、それをおしゃれな感じで漫画で出してしまうと10年後漫画を読まれたときに「iPhoneとかwww」って思われる確率は5割を超えると思いますし、LINEを出したりしたら「LINEとかwww」ってなると思うのです。なのでぼくはメールも漫画に出しません。
— 岡本倫 (@okamotolynn) 2016年6月25日
と言うような話をエルフェンリートを描いている頃の担当さんに話したら、自分の漫画が10年後にも読まれていると思うなんて楽観的ですねと言われました。でも14年たった今でもエルフェンリートの電子書籍はちょこちょこ売れているので、まぁ良かったんじゃないかなと思っています。
— 岡本倫 (@okamotolynn) 2016年6月25日
でも今時、携帯もメールも出さずに漫画を不自然にしないのは大変です。
— 岡本倫 (@okamotolynn) 2016年6月25日
願わくばぼくの漫画を読んだ人がそのことに気付いていませんように・・・
これらの考えには様々な意見が寄せられているが、その時々に主流となったアイテムを劇中に用いるのはある意味で不自由さを強いられているとも言え、一方で、岡本倫先生の言う時代感に引き戻されないメリットも確かに存在する。
その逆に、「むしろ時代感が見えるからこそ当時の世相も知る(見る)事ができるし、それが良いのだ」とする意見も散見されるが、こればかりは何が正解という話ではなく、各々の作者が自作に入れ込む美学により異なる、と言うほかない。
ちなみに、今月発売のアニメディアで披露された「けいおん!」の最新描き下ろし版権イラストでは、劇中でバリバリガラケーを使っていたはずのキャラクターが、何の躊躇もなく自撮り棒を使いこなし笑顔を振りまいている。
ここ数年で今この瞬間ほどアニメディアに絶大なる感謝の意を捧げた事はない pic.twitter.com/I2UeGO3ArO
— いおり村長 (あきばじごく) (@IoryHamon) 2016年6月11日
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岡本倫先生が語る「自分の漫画に携帯電話を出さない」理由とは https://t.co/u12cdNFyQR pic.twitter.com/loo3yt8tjl
— 「あきばじごく」更新お知らせ㌠ (@akiba_jigoku) 2016年6月26日
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